Story
物語

開拓という名のもと、ヨーロッパ諸国による植民地化が進んでいた16世紀。戦場の功績が認められたポルトガルの探検家フェルディナンド・マゼランは、マラッカの奴隷エンリケと船団を従え、スペイン王の命のもとに太平洋横断という史上初の航海に挑んでいた。
長引く過酷な船旅による衰弱や反乱の果て、徐々に精神が蝕まれてゆくマゼランと乗組員たちは、ようやくフィリピン・セブ島に辿り着く。そこでマゼランがキリスト教の聖なる幼子「サントニーニョ」像を授けたことで王の息子の病が治癒したという噂が広がり、歓迎と共に住民たちの洗礼が進んでゆく。愛妻ベアトリスへの望郷と未開地の征服という野心の狭間で葛藤するマゼラン。やがてこの地に対するマゼランの執念は島民の反乱を招き、権力への欲がもたらした帰結と向き合うことになる。
フィリピンの映画作家ラヴ・ディアス(『ノルテ、歴史の終わり』ほか)による、地球を覆う壮大な叙事詩。『マゼラン』は、フィリピンの植民地化を、未知なるものとの根源的で衝撃的な遭遇として——そしてヨーロッパが語り継いできた「発見」と「探検」の物語のラディカルな語り直しとして描き出す。



















